ミュンヘン、キュヴィリエ劇場でのコンサート

最初の晩に泊まったのはミュンヘンでした。ミュンヘンはそう何度も訪れた事があるわけではありませんが、来るたびに思うのは上品で美しい街だなぁ、という事です。特に白髪で気品のある装いの年配の女性をよく見かける気がします。

到着した晩に何か音楽会がないかな、と探してみたらキュヴィリエ劇場で若いオペラ歌手達のコンサートがあったので行ってみる事にしました。モーツァルトの「イドメネオ」が好きで大学の修士論文にも選んだ私としては、このオペラが初演された劇場を一度見てみたいということもありました。典型的なロココ様式の劇場で、第二次大戦で爆撃されましたが、装飾等は別の場所に保存されそれを使って戦争後に再オープンし、近年にもきれいに修復されています。ロイヤル・ボックスを覗いてみたら、そこからは舞台が間近に大きく見え、ここでオペラを観たらさぞ迫力があるだろうと思いました。

コンサートは、バイエルン国立歌劇場のオペルン・ストゥディオの若い歌手達のコンサートでした。9人の歌手達が、モーツァルト、ドニゼッティ、オッフェンバックのオペラ(とオペレッタ)からアリアや重唱を歌うもので、劇場はほぼ満席。皆さん、将来、自分たちの劇場で活躍するであろう若者達の歌を熱心に聴きいり惜しみない拍手をおくっていました。

歌手はアメリカ、ハンガリー、ロシア、イタリアなど出身地は多彩でした。イタリア人の歌手以外は、ヴィブラートが結構強い発声の人が多かったのと、歌だけではなく演技がかなりついていて、お客さんに見せるためのパフォーマンスを非常に重視している事が分かりました。大変楽しめた一夜だったのです。

 

コンサートの休憩時間に外に出てみたら、隣接した王宮の中庭(噴水の中庭)で無料のコンサートを催していたようで、舞台にはハープが据えられ、CDを売るスタンドが設けられていました。ビールを片手に楽しそうな人たちが沢山いました。ミュンヘンの音楽ライフの一端に触れられ興味深かったです。

 

 

 

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