月別アーカイブ: 2014年9月

プッチーニと私

8月26日にありました《日比谷オペラ塾 - 作曲家でたどるオペラのあゆみ(後期) 第5回 オペラのヒット・メーカー〈プッチーニ〉- 》の様子を日比谷図書館さんがブログにアップしてくださいました。こちらから飛べます。

「フェニーチェ劇場友の会」が主催するこのオペラ講座は前期・後期でオペラ史の主要な作曲家を通してオペラの歴史の流れを理解出来るようになっている優れた企画です。偉い先生達に混じり、私もプッチーニについてのお話をさせていただきました。

オペラに関する色々なお仕事をいただく中、プッチーニとは時々、濃い付き合いがあります。自分が若い頃は、あまりにも鋭い描写と徹底的なマーケティング(?)ゆえに、プッチーニに対して苦手な気持ちがあったのですが、年とともに彼の凄さをひしひしと感じます。今回は講座のために全作品を聴き直し、あらためて巨匠の若い頃から晩年までの成長と変化に感じ入ったのでした。

 

 

東京二期会《イドメネオ》

9月12日に《イドメネオ》の初日を観てきました。

大変好きな公演でした。

ミキエレットの演出は唸らされました。細かい所は台本とつじつまが合わない演出もあるんですが(だって、イリアのあの状態だって、二人が真実の愛をまだ告白しあっていないのに!?って思うし…)、根本的な所でとても示唆に富む内容だったと思います。最後のバレエ音楽をたっぷり聴かせてくれた上にあの展開。私は感動しました。ハイ。

それにしても歌手という仕事は大変ですねぇ。あんなオペラを覚えるだけでも凄いのにあの演技…

 

 

 

「供述によるとペレイラは…」

日本に帰って来て便利で嬉しいのが図書館の利用です。

イタリアに住んでいる時には、読む速度が遅いこともあり、残念ながら図書館で本を借りる習慣がつかないで終わってしまいました。もともと公共施設の利用が下手、というのもありますが…

帰国後は少しずつ色々な図書館に出入りしております。仕事関係の本がほとんどでそれ以外の分野になかなか広がらないのが悩みです。

イタリアの作家の本で大好きなのがアントニオ・タブッキの「供述によるとペレイラは…」です。イタリア語ではなく須賀敦子さんの名訳で読みました。恐ろしい所もありますが、この本に巡り会えたのは幸せだった、と思える本の一つです。そういえば、全然違いますがアゴタ・クリストフの「悪童日記」も私にとって大事な本です。こちらも堀茂樹さんの訳で読みました。

文学や芸術が伝えられることはたくさんあるんですね…

 

 

演出家ミキエレットのプレトーク@Ustream

今日は、Ustreamでダミアーノ・ミキエレットのプレトークを見ました。東京二期会の「イドメネオ」演出で来日中です。

ミキエレットの演出は音楽に忠実な所が好きで、ペーザロのROFで観た「泥棒かささぎ」も「絹のはしご」も良かったですし(「泥棒かささぎ」は音楽がちょっとヘビーなのでその部分は大好きとは言えなかったけれど…)、同じくROFの「シジスモンド」は心の底から感動しました。フェニーチェ歌劇場で観た「フィガロの結婚」はちょっと驚きましたが、ボールの使い方とかに彼らしさが出ていたなぁ、と。その後、ザルツブルクの「ラ・ボエーム」とか、作り過ぎと思う部分もあるけれど、やっぱり面白いです。

今回の「イドメネオ」は、先に上演したアン・デア・ウィーン劇場の映像がYoutubeで見られるけれど、生の公演を観ることが出来る場合は、事前に同じプロダクションを観てしまうとつまらないので観ないで我慢しています。代わりにサン・カルロ歌劇場の「イドメネオ」DVDを観たりしています。ピエール・ルイジ・ピッツィ先生の演出。これはこれで素晴らしかった(特にソニア・ガナッシの歌がいいですね〜〜〜〜。マルコ・グイダリーニの指揮も好きでした)。

肝心のUstreamですが、なかなか興味深かったです。こういうプレトークや記者発表を中継してくれるのって素晴らしい。家で見られて快適でした。音もいいし。

ミキエレットの話の中で印象的だったのは、やっぱり音楽を凄く大事にしているんだな、ということ。「オペラは音楽でストーリーを語る芸術です」というのを何回も言っていたし、「イドメネオ」をウィーンで上演した時に、ルネ・ヤーコプスのオケ譜への書き込みが凄くて、演出中もあの声で「ダミアーノ」って呼んで砂に埋もれながら近づいて来る話なども面白いし、音楽への尊敬を指揮者と共有する喜びを感じました。彼のような今を生きる演出家の舞台が日本で観られるのは楽しみです。そして指揮の準・メルクルも多分聞くのは初めて(ドレスデンの「タンホイザー」で聴いているかもしれませんが、記憶に無い…)。こちらも楽しみにしております。

 

9月始まりの手帳

今日、いつも行く歯医者さんの近くにある文房具屋さんで、9月開始の手帳を買いました。今、使っている手帳が小さくて何が何だか訳が分からなくなって来たので。お店には9月開始の手帳がたくさんありました。9月からスタートする人も多いんでしょうか?

これまでの手帳から新しい手帳に色々な予定を書き移しました。今から分かっている予定は、やっぱりオペラが多いです。何でもたしなむタイプではなく、一点集中型です。広い教養が必要だと分かっていても読書さえなかなか難しい現状…

そして、手帳を眺めていたら、なぜだか分かりませんが、高いからやめようと思っていた公演を一つ買ってしまいました。そんなご身分ではないのに…汗。

紙の手帳をやめて早くGoogleカレンダーにしないと危険かもしれません。

 

インターネット・ラジオ OTTAVA

9月になってインターネット・ラジオOTTAVAが試運転を開始しました。

オペラの仕事を始めた頃からの友人、林田直樹さんがプレゼンターのお一人で、一度、私も出演させていただいたこともあるOTTAVA、再開(再会)を楽しみにしていましたが、今日はその林田さんの担当日ということで今それを聴いています。暖かいお人柄が感じられる声が懐かしい。Naxos社がこのラジオを引き継いでくれて良かったです。普通のラジオと違ってオンデマンドでPCで聴くことが出来るので私にとってはクラシックの色々な曲を聴くのに大変便利だったのです。オンデマンドも復活しますように(祈)。

サイトはこちらです。

 

 

 

ドミニック・フェルナンデス「木、その根まで」

「イドメネオ」といえば、少し聴いてみたマッケラス盤の、イアン・ボストリッジのタイトルロールが面白かったです。性格俳優チックというか、ほんの少しサディスティックな人格表現というか、ボストリッジの言葉は常に陰影に富んでいるのですね。

大昔、大学の修士論文を「イドメネオ」で書いた私。その頃にとても面白く読んだのがドミニック・フェルナンデスの「木、その根までー精神分析と創造」という本です。岩崎力訳、朝日出版社刊。その後フェルナンデスは「ポルポリーノ」等も翻訳されています。知識人で独自の視点を持つ、というか、この人のオペラとの個人的な付き合い方が好きだなぁ、と思った本でした。

イドメネオな日々

ブログを作ってもなかなか書く時間がないな〜、と思っていた私。

しかし、その道の達人がおっしゃるには、ブログはハードルを低くして毎日書いた方がいいそうなので、ひっそりと毎日更新を目指すことにします。

今日やったことで書いておきたいことは、レスピーギのLa FiammaをiTunesに読み込んだことと、ヤコブスの「イドメネオ(ついイドメネーオと書きたくなる)」の序曲とイリアのアリアを聴いたこと位です。「イドメネオ」は二期会公演の予習です。あともう少し聴けるかな…

オペラ・サイトの準備は少しずつ進んでいます。コンビを組んだ長澤直子さんのセンスが鋭いので色々勉強になって嬉しいです。早くオープンしなくては。