『トリスタンとイゾルデ』トーク&コンサート

本日は《二期会プレ・ソワレ》というイヴェントに出演してきました。東京二期会さん企画で、9月10日(土)からのワーグナー『トリスタンとイゾルデ』公演に向けてのプレ・イヴェントです。場所は幡ヶ谷のMy Space ASPIA アスピアホール。ご来場下さった方はどうもありがとうございました。

トークのメイン・ゲストは昨年、二期会のR・シュトラウス『ダナエの愛』を演出して鮮烈なオペラ演出家デビューを飾った映画監督の深作健太さん。私は聞き役と司会進行を務めさせて頂きました。

イヴェントの冒頭にピアニストの木下志寿子さんが『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲を弾かれました。ピアノで弾くと音楽のモティーフや和音が際立って、すぐに独特の『トリスタン』の世界に引き込まれます。

 

深作さんのトークでは、「音楽との出会いは映画音楽。5歳の時に観た『スター・ウォーズ」の音楽から始まり、大学生の頃にたどり着いたのがワーグナー」、「『トリスタンとイゾルデ』をベルリンで聴いた時の衝撃の体験。椅子に座ってバレンボイム指揮の前奏曲を聴いたとたんに気分が悪くなり…(ワーグナー音楽の強烈な作用)」などから、2018年2月にご自身が演出することが決まっている次のオペラ作品であるワーグナーの『ローエングリン』について、そして今という時代にオペラを上演する意義など、とても興味深いお話でした。映画と映画音楽の関係(名作『バトル・ロワイアル』の音楽についてのお話も!)や、オペラの音楽と演出の関係についてのトークも大変参考になりました。深作さんの素晴らしいところは、誰にでも丁寧でフレンドリー、しかしその下で大きな理想と情熱がふつふつと燃えていることでしょうか。これからのご活躍が楽しみです。

後半のコンサートではソプラノの田崎尚美さんがイゾルデ役、テノールの菅野敦さんがトリスタン役で、第2幕第2場の二重唱、そして第3幕のイゾルデのあの名高い「愛の死」が演奏されました。田崎さん、菅野さんは9月の『トリスタンとイゾルデ』公演の主役二人のカヴァー歌手であり、また11月の二期会公演 R・シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』では、アリアドネとバッカスという主役を歌われます。お二人の息のあった歌が素晴らしかったです。合間にはピアノの木下さんが音楽的なことをご説明下さり楽しくてためになるお話でした。

 

終了後は、深作さんにお願いしてツーショットです。ありがとうございました!

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9月10日、11日、17日、18日に東京文化会館で上演される『トリスタンとイゾルデ』、ワーグナーの巨匠ヘスス・ロペス=コボスの指揮、ヴィリー・デッカー演出の話題の舞台です。

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