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「イタリア人はモーツァルトがお嫌い!?」YouTube動画

ちょっと前の話になりますが、今年の3月4日(金)に学び舎 遊人さんで「イタリア人はモーツァルトがお嫌い!?」というお題で講演をしました。

大学の同級生で、Facebookで感動の(?)再会を果たした坂元勇仁氏が企画してくれたお話の会です。

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イタリアに1989年の末に移住し2012年に帰国するまで、その間には日本でのお仕事も多々ありましたが、20年以上住んでいたイタリアで私が見た事、聞いた事、思った事から選んでお話しさせていただきました。

名プロデューサー坂元君が司会をしてくれたおかげで、私にしては面白い話が出来たのではないかと思っています。内容はまあ私の事ですので、オペラ関係が95%くらいになってしまいましたが…

この度その講演会が、遊人(Yujin)さんのYouTubeにアップされましたのでお知らせします。ご興味とお時間のある方がいらっしゃって見ていただければ幸いです。

動画を自分で見て。他に気にすべき所があるような気もするのですが、個人的にはやはり二重あごとお腹が気になりました(涙)。じつは帰国後、一年くらい経った頃から体重が増えちゃったんです。それまでも決して痩せていたわけではありませんのでこうなってしまいました。というわけで、お見苦しい動画ですみません!!!

 

以下に話の内容をかいつまんで書いてみました。

「イタリア人はモーツァルトがお嫌い!?」

前半の話題:
– 坂元君との30年ぶりの再会の経緯(Facebookは偉大だ)
– オペラ・キュレーター始めました
– 大学院を卒業して東京二期会の事務局に入局した頃
– 永竹由幸先生と出会い、ミラノ・スカラ座に魅了され転職
– ミラノへ移住
– ミラノでしていたオペラ来日公演コーディネーターという仕事とは?
– ボローニャ歌劇場との長年のおつきあい(ロッシーニ演奏では世界一の劇場!)
– ボローニャ歌劇場の中で仕事をして泣きべそをかいていた日々について
– 仕事でイタリア人から必要な返事をゲットする方法
– ジェスチャーはイタリア語の一部
– イタリア人と日本人は笑う所が違う
– イタリアの観客はオペラのどこを観ているのか?
– スザンナを歌うソプラノとトスカを歌うソプラノ
– イタリアの歌劇場の数とそこで仕事をしている人々について
– イタリア人にとっての「美しい声」とは?
– イタリア・オペラの合唱とは?
– イタリア・オペラのオーケストラの特徴
– イタリア・オペラにおける言葉(台本)の重要性
– イタリア人はモーツァルトがお嫌い!?
– 教養オペラと大衆オペラ
– モーツァルト以前は作曲家より台本作家の方が重要だった

(休憩)

後半の話題:
– ミラノという都市
– ミラノは半分オーストリア
– ミラノとスカラ座
– ミラノとモーツァルト
– ミラノ・スカラ座について
– 12月7日の華やかな開幕公演
– 天井桟敷の人々
– 大歌手を育てる観客
– イタリアの歌劇場がおかれている現状(経済状態)
– 自分が日本に帰ってからの活動
– オペラ・エクスプレス
– 日本のオペラ界を知る
– 日本人、総オペラ人口化計画?

 

Youtube動画はこちらです。

 

 

前夜祭「ジャパン・オルフェオ」 @ イタリア文化会館

今日は九段下のイタリア文化会館で「前夜祭『Japan Orfeo』トーク&ミニコンサート」というイヴェントがあり、通訳として呼んでいただきました。

 

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10月7日(金)8日(土)に鎌倉の鶴岡八幡宮 野外特設舞台で、そして12日(水)13日(木)に東京芸術劇場で上演される『ジャパン・オルフェオ』のプレ・イヴェントです。内容はモンテヴェルディの「オルフェオ」ですが、今回の上演にはいくつかスペシャルな特徴があるというご説明でした。

 

1.  新しく作曲された音楽を使用した〈悲劇版フィナーレ〉での上演

1607年の初演時にアレッサンドロ・ストリッジョが書いた「オルフェオ」台本のフィナーレは、オルフェオ(オルフェウス)がバッカスの巫女達に八つ裂きにされるという結末でした。しかし1609年に出版された「オルフェオ」の楽譜ではこのフィナーレは変更されており、天上界からアポロが降りて来て息子であるオルフェオは天に召されて終わります。変更前のオルフェオが八つ裂きにされる結末の台本にはモンテヴェルディの音楽が残されていません。今回はその悲劇版の台本に、作曲家で指揮者の沼尻竜典が曲を書き(6-7分の曲だそうです)オリジナルの台本の内容が現代に蘇ります。

 

2. オペラ × 能 × 日本舞踊 × 雅楽

この『ジャパン・オルフェオ』公演では真の意味での日伊のコラボレーションが実現するそうです。オペラが誕生したばかりの1607年に初演されたモンテヴェルディの「オルフェオ」を上演するにあたり、日本の伝統芸能である能、日本舞踊、雅楽が加わります。宝生流第20代宗家の宝生和英が伝統芸能演出監修を受け持ち、「オルフェオ」後半の地獄の場面で地獄の王プルトーネと妻プロセルピナを(イタリア人の歌手たちがこれらの役を歌う傍らで)宝生流のシテ方武田孝史と宝生和英が舞います。また、フィナーレでオルフェオを八つ裂きにするバッカスの巫女を宗家藤間流の八世宗家である藤間勘十郎が踊ります。

演奏家としては、この時代のオペラのスタイルを熟知したイタリアと日本の古楽器奏者達が集結しますが、そこに加えて、雅楽、能楽囃子方、そしてイタリアからレーザー・ハープ奏者も来日しての演奏が繰り広げられます。雅楽やお能の音楽を演奏するのではなく、和洋の楽器が一緒になってモンテヴェルディの音楽を奏で、日本側もその音楽で舞いを見せる、という新しい挑戦がある舞台だそうです。

 

3. イタリアの踊りと衣裳の〈美〉も参加

「オルフェオ」の前半(プロローグと第1幕、第2幕)はオルフェオとエウリディーチェの結婚のお祝い、そしてエウリディーチェが毒蛇に噛まれて死んだことをオルフェオが嘆く場面までです。今回はこの現世の部分を地中海的な彩りで表現します。南イタリア、プーリア州のピッツィカとタランタという踊りを踊るダンサー達が来日して結婚式のお祝いの場面などで踊ります。また、イタリアの一流デザイナー、ミッソーニがこの公演のために特別にデザインした衣裳も見所です。

 

今日のトークは昭和音楽大学教授の有田栄先生が司会として質問をなさり、指揮者・音楽監督のアーロン・カルペネ氏と演出家のステファノ・ヴィツィオーリ氏がそれに答えるという内容でした。有田先生の質問が分かりやすく、お二人の答えも興味深い内容でした。カルペネ氏とヴィツィオーリ氏は2013年にブータンで同じように現地の芸術家とイタリアとのコラボレーションでオペラを上演しており、その経験が今回の日本での上演実現に大いに役に立っている、ということでした。またモンテヴェルディのオペラを最大限に尊重しつつ、本当の意味での日伊のコラボレーションを目指している、ということを何度もおっしゃっていました。

一時間程のトークの後には、オルフェオ役を歌うために来日したヴィットーリオ・プラート氏(バリトン)の歌と指揮者のカルペネ氏のピアノで「オルフェオ」からの曲が演奏されました。

「Rosa del ciel 天上の薔薇よ」と「Tu se’ morta 君は死んでしまったのか」の二曲です。

プラート氏の声がとても美しかったです。お天気に恵まれて素晴らしい公演になるといいですね!

この公演の詳細はこちらをご覧ください。

 

 

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左から演出家のステファノ・ヴィツィオーリ、オルフェオ役のヴィットーリオ・プラート、指揮者のアーロン・カルペネの各氏。

 

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司会の有田栄先生も一緒に。

 

「みんなでオペラ」第一回《ワルキューレ》

9月12日(月)、学び舎 遊人さんで始めた「みんなでオペラ」の第一回目が何とか無事に終了しました。

 

お題は、新国立劇場の2016/2017シーズン開幕演目でもあるワーグナー《ワルキューレ》。当日お越し下さった皆様、どうもありがとうございました!

もとはといえば、大学の同級生で音楽プロデューサーの坂元勇仁君がFacebookで私を見つけてくれて、30年振り(!)に再会を果たした事がきっかけで始まった会です。実行力のある坂元君がいなかったら実現していなかったでしょう。また、私がこれまでの年月に大変にお世話になった方が参加してくださったり、その一方ではこのHPやWeb上の情報で見つけて来てくださった方もありました。ありがたいことです…

 

 

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例によって妹の百合子(通称こぐまさん)がキーボードで助けてくれました。《ワルキューレ》に出て来る示導動機(ライトモチーフ)を弾いてもらったのです。オペラを鑑賞している時に、これは何のモチーフだったかしら?と一生懸命思い出す必要は無いけれど、ワーグナーがどのようにして楽劇を作曲していたかを知るのは興味深いです。

オペラ鑑賞の予習には、対訳台本を読みながら音楽を聴くのが私は好きです。講座でも作品の中で重要な場面を取り上げて皆で一緒に鑑賞しました。

ちなみに、私が好きなワーグナー・オペラの対訳は井形ちづる先生の「ヴァーグナー オペラ・楽劇全作品対訳集」(水曜社)です。色々な対訳を読んでみましたが、井形先生の訳は内容が分かりやすいです。また、ワーグナー(井形先生に習えばヴァーグナーですが)の台本はト書きがとても重要だと思うのですが、このト書きがクリティカル・エディションに沿っているのも便利だと思います。そしてこの本は、ワーグナーの全オペラ+楽劇の対訳が入っている所が凄過ぎます…

 

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講座の後は、希望者を募り居酒屋さんでのトーク。これが結構楽しみです(笑)。まだまだ講座を始めたばかりなので反省会も兼ねております。

次回の「みんなでオペラ」は10月10日(月・祝)で15時開始です。詳細はまたアップします。

 

 

 

 

 

藤沢市民オペラ:ロッシーニ《セミラーミデ》

今日はインターネットラジオ #OTTAVA さんに行ってきました。「オペラ大好き!『VIVA! OPERA』」の収録のためです。

9月号は特別企画で、藤沢市民オペラで上演されるロッシーニの《セミラーミデ》(演奏会形式)についてのお話を伺うために、指揮者で藤沢市民オペラ芸術監督を務められている園田隆一郎さんをゲストにお迎えしました!

超多忙なマエストロですが、なんとか時間のやりくりをして来てくださり、ロッシーニの素晴らしさ、ロッシーニのオペラ・セリアの音楽、ロッシーニの最高傑作と言われる《セミラーミデ》の魅力、今回の上演にあたってのキャストや藤沢市民オペラについて、などなど、短い番組ではありますが、目一杯お話をして下さいました。公演は10月30日(日)14時から藤沢市民会館です。

セミラーミデ役は安藤赴美子さん。楽しみです!!!

公演の詳細はこちらへどうぞ。

番組がYouTubeなどで視聴可能になったらまたお知らせします!

 

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斎藤茂さんが撮影してくださったのでスリーショットはならず。マエストロは収録のあと時間ギリギリで飛び出して行かれましたが、稽古には間に合ったのかなぁ…?

 

「ニーベルンゲンの歌」石川栄作訳(ちくま書房)

ワーグナー《ワルキューレ》の予習の一環で、この本を読んでいます。今頃!?と言うなかれ…

 

ニーベルンゲン前編

ニーベルンゲン後編

 

 

うう。面白いです。ワーグナー『ニーベルングの指環(リング)』の中で《神々の黄昏》の元になっている部分ですね。ブリュンヒルデがけっこう性格悪くて(プライドが高くて?)怖いんです…汗。

「本書は『ニーベルンゲンの歌』の写本の中でもあとから入念な改作を施されたと一般に認められている写本Cを日本語に翻訳するものである」ということで、岩波文庫の『ニーベルンゲンの歌』(相良 守峯訳)とは写本の種類が違うんですね。知らなかった〜。

それにしても、こういう本を訳す人って偉いですね。素晴らしいなぁ…

 

 

『トリスタンとイゾルデ』トーク&コンサート

本日は《二期会プレ・ソワレ》というイヴェントに出演してきました。東京二期会さん企画で、9月10日(土)からのワーグナー『トリスタンとイゾルデ』公演に向けてのプレ・イヴェントです。場所は幡ヶ谷のMy Space ASPIA アスピアホール。ご来場下さった方はどうもありがとうございました。

トークのメイン・ゲストは昨年、二期会のR・シュトラウス『ダナエの愛』を演出して鮮烈なオペラ演出家デビューを飾った映画監督の深作健太さん。私は聞き役と司会進行を務めさせて頂きました。

イヴェントの冒頭にピアニストの木下志寿子さんが『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲を弾かれました。ピアノで弾くと音楽のモティーフや和音が際立って、すぐに独特の『トリスタン』の世界に引き込まれます。

 

深作さんのトークでは、「音楽との出会いは映画音楽。5歳の時に観た『スター・ウォーズ」の音楽から始まり、大学生の頃にたどり着いたのがワーグナー」、「『トリスタンとイゾルデ』をベルリンで聴いた時の衝撃の体験。椅子に座ってバレンボイム指揮の前奏曲を聴いたとたんに気分が悪くなり…(ワーグナー音楽の強烈な作用)」などから、2018年2月にご自身が演出することが決まっている次のオペラ作品であるワーグナーの『ローエングリン』について、そして今という時代にオペラを上演する意義など、とても興味深いお話でした。映画と映画音楽の関係(名作『バトル・ロワイアル』の音楽についてのお話も!)や、オペラの音楽と演出の関係についてのトークも大変参考になりました。深作さんの素晴らしいところは、誰にでも丁寧でフレンドリー、しかしその下で大きな理想と情熱がふつふつと燃えていることでしょうか。これからのご活躍が楽しみです。

後半のコンサートではソプラノの田崎尚美さんがイゾルデ役、テノールの菅野敦さんがトリスタン役で、第2幕第2場の二重唱、そして第3幕のイゾルデのあの名高い「愛の死」が演奏されました。田崎さん、菅野さんは9月の『トリスタンとイゾルデ』公演の主役二人のカヴァー歌手であり、また11月の二期会公演 R・シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』では、アリアドネとバッカスという主役を歌われます。お二人の息のあった歌が素晴らしかったです。合間にはピアノの木下さんが音楽的なことをご説明下さり楽しくてためになるお話でした。

 

終了後は、深作さんにお願いしてツーショットです。ありがとうございました!

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9月10日、11日、17日、18日に東京文化会館で上演される『トリスタンとイゾルデ』、ワーグナーの巨匠ヘスス・ロペス=コボスの指揮、ヴィリー・デッカー演出の話題の舞台です。

公演の詳細はこちら

 

ダニエラ・デッシー

私が朝起きて一番最初にすること、それはFacebookを見る事です(毎朝必ずではありませんが…)。今日の朝一番にFacebookを開くと、つまり時間的にはちょうどイタリアの土曜日の夜でしたが、そこで多くの人がシェアしていたのがソプラノ歌手ダニエラ・デッシー急逝のニュースでした。

声、歌唱技術、演技、容姿、そのすべてに優れ、イタリア・オペラ界を代表する歌手であったデッシーはまだ59歳。現役で活躍中でしたが、ご自身のFacebookで「体調を崩したのでこの夏の仕事をすべてキャンセルせざるを得なくなりました。」と発表したのが7月27日。つい先日の事でした。

来日も多く、私の知っている限りオペラだけでも、

1988年 スカラ座来日公演「トゥーランドット」リュー役1990年
1993年 サントリーホール、ホールオペラ「ラ・ボエーム」ミミ役
1994年 サントリーホール、ホールオペラ「椿姫」ヴィオレッタ役
1998年 ボローニャ歌劇場来日公演「ドン・カルロ」エリザベッタ役
2001年 プッチーニ・フェスティヴァル来日公演「蝶々夫人」蝶々さん役
2004年 プッチーニ・フェスティヴァル来日公演「蝶々夫人」蝶々さん役
2006年 ボローニャ歌劇場来日公演「イル・トロヴァトーレ」レオノーラ役
同年 ローマ歌劇場来日公演「トスカ」トスカ役
2010年 アレーナ・ディ・ヴェローナ来日公演「アイーダ」アイーダ役

があります。

私がイタリアにいるあいだに観たデッシーの舞台はかなりたくさんあり、いまここで全てを書き記す事は出来ませんが、スカラ座でパヴァロッティと共演した「ドン・カルロ」のエリザベッタ、フィレンツェで観た「蝶々夫人」、ボローニャで観た「ノルマ」などは記憶に深く残った名舞台でしたし、ジョルダーノ「愚弄晩餐会 La Cena delle Beffe」や、カレーラスと共演したヴォルフ=フェラーリの「スライ」(これはスイスでした)などにおいても圧倒的な存在感と美しさでした。

デッシーはジェノヴァに生まれ、パルマとシエナで声楽を学び、地元ジェノヴァのオペラ・ジョコーザ劇場でペルゴレージ「奥様女中」を歌ってデビューしました。ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場をはじめとする世界の一流舞台で数多く歌っており、アッバード、シャイー、ガッティ、ジェルメッティ、ムーティ、シノーポリなどの指揮者と共演しています。ビロードのような美声を持ち、若い頃はペルゴレージやロッシーニ、モーツァルトなどを歌い、ベルカントを経てヴェルディ、プッチーニの重要な主役を数多く歌いました。近年は声の円熟にともないヴェリズモのレパートリーに移行していました。デッシーの卓越した音楽性と歌唱テクニックは、数ある録音を聴き、録画を観ればすぐに分かります。情熱的な歌姫で、2000年からはテノール歌手のファビオ・アルミリアート氏が公私にわたるパートナーでした。

ボローニャ歌劇場との二度の来日、そして2010年のヴェローナとの来日時に私が通訳としての仕事をさせていただいた時には、あまり近くからではありませんが、彼女の誰にでも公平な礼儀正しさ、そしてプロフェッショナルとしての仕事ぶりを間近で見る事が出来ました。イタリア・オペラ界が失った財産はとても大きなものです。歌姫デッシーのご冥福を祈り、残されたご家族の苦しみが少しでも癒される日が来ることを願いたいと思います。

 

 

 

「みんなでオペラ」9月に開講します!

9月から始まるオペラ勉強会「みんなでオペラ」シリーズのフライヤーが出来ました!

 

第1回目はワーグナーの「ワルキューレ」です。新国立劇場のシーズンオープニングの演目ですが、10月にはウィーン国立歌劇場来日公演の「ワルキューレ」もありますので、このオペラだけを予習したい方もぜひどうぞ!

私と『ニーベルングの指環(リング)』との関係といえば、実は最初からバラ色のおつき合い(?)とは言えませんでした。大学時代にワーグナーのオペラにはまったものの、好きだったのは「タンホイザー」(初めて自分でチケットを買って観たオペラです)、「ローエングリン」くらいで、『リング』は題材が〈神話〉と〈叙事詩〉というあまり得意でない分野であったためかなり放置していました。

しかし、やはり時とともに人は成長するのでしょうか(笑)?最近では『リング』はワーグナーの中でも一番の好物になってきました。中でも『ワルキューレ』は、この作品全体の重要なターニングポイントとなる内容ですし、音楽はまあもちろん凄いし、今の所『リング』の中で一番好きな作品かも知れません。昔は長くて退屈だと思っていたヴォータンとフリッカの夫婦喧嘩の二重唱もかな〜り好きな場面になってきました。

 

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完)井内トークイベント4-日程-color-01

 

井内美香の「みんなでオペラ」

ワーグナー作曲「ワルキューレ」

第1回 9月12日(月)午後7時

ところ:学び舎 遊人(東京都千代田区西神田 2-4-1 東方学会新館2F)

新国立劇場の2016/17年オペラ・シーズンにあわせて、上演作品を一回一演目ずつ勉強する会です。オペラを観る前に「これだけは知っておきたい!」というポイントが分かります。

*実際に劇場でオペラを観る方も、観ない方も一緒にオペラを楽しむための講座です。

参加料:2,500円

各回20名限定。10回分をまとめてお申し込み頂くと20,000円とお得になります。10回まとめてのお申込みは9月12日(月)締め切りです。

主催:ユージンプランニング

予約とお問合せ:
ユージンプランニング(平日10時から17時)
TEL 03-3239-1906
FAX 03-3239-1907

E-mail:manabiya@yujinplanning.com
(メールでご予約の際はイベント名と人数を明記してください)

 

みんなで楽しくワイワイやる会にしたいと思っています。皆様のお申込みをお待ちしております!

 

OTTAVA オペラ大好き!『VIVA! OPERA』 2016年8月号

この記事はインターネットラジオ OTTAVA “OTTAVA MALL”の番組「オペラ大好き!『VIVA! OPERA』」の記録です。2016年8月号。OTTAVAさんのページはこちらです。

 

《7月のオペラ公演レビュー》

・東京二期会 モーツァルト《フィガロの結婚》
2016年7月15日(金)~7月18日(月・祝)
東京文化会館
2002年に初演して以来、再演を重ねている宮本亜門の人気演目を〈二期会名作オペラ祭〉として廉価で上演。名舞台に一流歌手の出演で観どころのある舞台に。

・東京フィルハーモニー プッチーニ《蝶々夫人》(演奏会形式)
7月22日(金)サントリーホール、24日(日)Bunkamura オーチャードホール
日本イタリア国交150周年に東京フィルが贈る二つのジャポニズム・オペラの第一弾。
指揮はチョン・ミョンフン。
音楽に没入する力がずば抜けているマエストロ・チョン、《蝶々夫人》はキャリアのごく初期から彼が指揮をしているオペラ。
今回はタイトルロールの蝶々夫人役にマエストロと同じ韓国人のソプラノ歌手ヴィットリア・イェオを起用。大変な美声と音楽性で観客を魅了しました。

・びわ湖ホール オペラへの招待 マスネ《ドン・キホーテ》
2016年8月6日(土)、7日(日)びわ湖ホール 中ホール
予定されていたフランスの女性指揮者クレール・ジボーが直前に病気で来日中止となったが*)、びわ湖ホールとの仕事も多い園田隆一郎が代役で日本センチュリー交響楽団を指揮し素晴らしい演奏を聴かせた。
モダンな演出の菅尾友、振付の砂連尾理も活躍。
若い歌手達が美声を競って好演でした。

*) びわ湖ホールさんのFBなどを拝見していて気がつきましたが、ジボーさんは来日中止になったのではなく、一度来日してリハーサルにも参加した後で体調不良により出演キャンセルとなったようです。勘違いして申し訳ありません(2016.8.31追記)。

《9月以降のお勧め公演》

リヒャルト・シュトラウスのオペラ《ナクソス島のアリアドネ》初演100年記念ということで、東西で興味深い上演が予定されています。

・堺シティオペラ
9月10日(土)、11日(日)にソフィア堺(堺教育文化センター)で《ナクソス島のアリアドネ》を上演。
堺シティオペラの第31回定期公演。
指揮は牧村邦彦、演出は岩田達宗、出演者すべて日本人の公演です。・ウィーン国立歌劇場来日公演《ナクソス島のアリアドネ》

10月25日(火)、28日(金)、30日(日)東京文化会館
こちらはマレク・ヤノフスキ指揮、スヴェン=エリック・ベヒトルフ演出。
出演はグン=ブリット・バークミン、ダニエラ・ファリー、ヴェッセリーナ・カサロヴァ、ヨハン・ボータ他。
「東京・春・音楽祭」の《ジークフリート》の神のような演奏で話題となったヤノフスキがタクトを取ります。

・東京二期会《ナクソス島のアリアドネ》
11月23日(水・祝)、24日(木)、26日(土)、27日(日)日生劇場
指揮のシモーネ・ヤングはN響との共演は多いがオペラの指揮では日本初登場。
カロリーネ・グルーバーはびわ湖ホールの《サロメ》や二期会の《ドン・ジョヴァンニ》などですでに日本でもよく知られている演出家。
シュトラウス・オペラの上演を続けている二期会の人気歌手達が勢揃い。

出演:
斎藤茂(OTTAVA)
井内美香

OTTAVA オペラ大好き!『VIVA! OPERA』 2016年7月号

この記事はインターネットラジオ OTTAVA “OTTAVA MALL”の番組「オペラ大好き!『VIVA! OPERA』」の記録です。2016年7月号。OTTAVAさんのページはこちらです。

 

 今月はオペラ公演の鑑賞レビューは(ゲネプロをレポートした一演目を除き)お休みです。
その代わりに「通訳は見た!」と題して、来日したイタリアのオペラ・カンパニーに通訳として同行した井内が見た、オペラの裏側をたっぷりお届けします。

《6月のオペラ公演レビュー》

・日生劇場 ロッシーニ《セビリアの理髪師》
2016年6月18日(土)、19日(日)日生劇場
園田隆一郎指揮、粟國淳演出の新制作。
日生劇場 半年間の改修工事を終えてのお披露目公演。
ゲネプロを鑑賞。ロッシーニを知り尽くしたお二人の指揮と演出に、理想のキャストを得て心踊る《セビリア》に。

《舞台裏レポート》

・ローマ・イタリア歌劇団来日公演
プッチーニ《ラ・ボエーム》
7月2日(土)、3日(日)東京文化会館、他。
イタリアのオペラ・カンパニーが日本各地で公演するツアーに通訳として同行してきました。13都市、14公演。
イタリアのオペラ歌手達の研修機関として1947年にスタートしたスポレート歌劇場が母体となった団体による公演でした。
ミミ役にはカルミラ・レミージョ、キアーラ・イゾットン他、そしてロドルフォ役には往年の名歌手と同じ名前のジュゼッペ・ディステーファノも出演!エルコレ・ソルマーニがデザインした、20世紀半ばに作られた背景幕(ドロップ)を使った舞台装置も見所でした。

《7月以降のお勧め公演》

・2016年9月14日(水)~18日(日)俳優座劇場。
こんにゃく座の新作初演。宮澤賢治生誕120周年記念
《グスコーブドリの伝記》台本・演出:しままなぶ 作曲:寺嶋陸也
チケット一般発売は7月16日(土)

・12月1日(木)Bunkamuraオーチャードホール
アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート ~米寿を記念して~
曲目:ロッシーニ「スタバト・マーテル」とカンタータ「テーティとペレーオの結婚」
チケット発売開始は8月2日(火)

出演:
斎藤茂(OTTAVA)
井内美香